生駒市が物件所有者募集中

生駒市のユニークな空家対策が注目されています。

空家対策

空き家で地域貢献 生駒市が物件所有者募集

人口減少や高齢化により全国的に空き家の増加が問題となる中、奈良県生駒市で今年度からユニークな取り組みが始まった。空き家を住宅としてではなく、地域のために活用してほしいと考える所有者を募集。民間学童保育所や、地域の交流拠点として使える空き家を探す団体や個人とつなぐ「空き家利活用プロジェクト」だ。地域貢献と空き家解消の「一石二鳥」の取り組みとして注目される。
空き家→学童保育所
今年4月。11年間空き家だった3階建ての住宅が、民間の学童保育所「東生駒放課後児童クラブ」として生まれ変わった。
この住宅は、市が空き家対策のため関連団体と設立した「いこま空き家流通促進プラットホーム」が平成31年から買い手や借り手を募集したが、段差が多く、建物の構造が複雑なことから2年近くマッチングに至らない状態が続いていた。
このため、地域ニーズを反映させ民間の学童保育所として活用することを検討。所有者と協議し昨年9月、公募型プロポーザルで運営事業者を募集したところ、すぐにNPO法人など2団体から応募があり、契約が成立した。
市によると、所有者の男性は「空き家を管理してもらいながら、地域の子供の役に立てるとは思ってもいなかった。感謝の気持ちでいっぱい」、運営事業者側は「学童保育所に使える物件を探すのは大変。ありがたい」と話したという。
相場より安価に
空き家は、壁がはがれ落ちたり、草木が伸びたりして周囲の住宅や道路に危険を及ぼす可能性がある。
平成30年の総務省の調査では全国の空き家率は13・6%。生駒市は10・1%だが、市は「高齢化などの進行で、現在はさらに高くなっているだろう」と予測する。
こうした中、市の調査で「地域貢献のためなら安く貸し出してもいい」と考える空き家所有者が一定数いることが判明。地域で活動場所を探す団体や個人からの問い合わせも多く寄せられたため、地域のニーズに合った空き家の活用を図ることにした。
プロジェクトでは、子供食堂など地域での社会的活動のため、一般の相場よりも安価で賃貸・売却する意向がある空き家所有者を今月31日まで募集。6月以降、物件情報を公表し、活用希望者からプランを募る。プランは有識者らからなる審査会が選考し、所有者との賃貸や売買契約につなげる。
市の担当者は「地域の課題解決に空き家を利活用していきたい。取り組みが空き家の解消とともに、地域活性化にもつながれば」と期待している。(産経新聞)

産経新聞より

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